Feb 11, 2008

Academic Libraries -4-

Guest SpeakerでいらしたAssessment Librarianとか言うポジジョンの方がLibQUAL+TMについてお話してくれました。LibQUAL+TMとは、経済の世界の人たちがサービス(産業)のクオリティを測るのを目的として開発したSERVQUALを図書館に応用した図書館のサービスクオリティを測るツールです。サービスに対する期待と実際の感じとの差を11段階のリッカートスケールで利用者に選んでもらいます。詳しくはネットで「LibQUAL+」で検索すればいろいろ出てくるので、そちらで見てください。


正直言って、
LibQUAL+TMってよくわかってなかったんです。図書館パフォーマンス指標(ISO11620)も図書館の評価をするツールだし、ACRLのStandards for Libraries in Higher Educationもあるし、TQM(Total Quality Management)って口にしてる人もいるし、国立大学図書館の人たちが「大学図書館における評価指標報告書(Version 0)」を作ったりしてるし、どれがどうなの???と思っていました。今も思っています。

でも、Guest Speakerさんが、LibQUAL+TMは、図書館の評価をするのに貸出冊数とか入館者数といったquantitative(定量的)なものだけからqualitative(定性的)なものへも視点を移すのに大きな役割を果たした。と言ったのを聞いて、なんかちょっとすっきりしました。LibQUAL+TMは今も現在進行形でARLを中心に見直しを図られていますし、どれが絶対的なツールかって問題じゃないんだな、と改めて思いました。

いろいろなツールがあることを知り、そのツールがどんなものなのかを理解しようと集中すると、本来の「図書館を評価する」という目的を忘れてしまいがちになるのは、私の悪いくせです。足元の石につまずきやすいんです。
ARLは毎年、研究図書館(Research Libraries→大学図書館だけじゃなくて米国議会図書館なども含めた研究図書館)123館の統計を発表していて、その統計ついても活発に意見交換をしています。ARLのサイトをみるとwebcastとかPowerpointの資料とかアップされていて、面白い。たとえば、雑誌購読数をどう数えるか。冊子体でしか出版されていなかった時代には、同じ大学内でも中央図書館と理系図書館と医学図書館とで同じ雑誌を購読していたら3冊購入と数えることができた。でも、電子媒体での出版になったら、キャンパス内のどこからでもアクセスできるから、冊数で言ったら3冊が1冊になる、つまり、購読冊数は1/3になる。利用者にとってみれば、読みたい雑誌が読めればそれでいいんですが、大学の上の方の人たちは少し違っているんだそうで。「購読冊数は減っているのに雑誌の費用は上がっているじゃないか。なんで?」ってなる人もいるんですって。たしかに報告書としてあがってきたものに載ってる数字を見るとそう思うんでしょうな。それで、これからは購読タイトル数で統計を取っていきましょう。ってなるんだけれど、中には相変わらず冊子体のみで購読している雑誌だってあるわけだし、何年分も統計を見て比較しようとしたときに、この出版媒体の変化を考慮しなかったら、おかしなことになっちゃう。まぁ、図書館の購読雑誌数について調べようとする人で出版媒体の変化を知らない人はいないだろうから、大丈夫だろうとは思うけど。

そうそう、2007年4月の記事でちょっと古いんですが、ACRLが発表した「大学・研究図書館の将来に関する10大予測」をNDLのカレントアウェアネスポータルで見つけたのでコピペします。


「大学・研究図書館の将来に関する10大予測」

1. 蔵書のデジタル化、デジタルアーカイブの保存、データの蓄積・検索方法の改善の重要性が増す。

2. 図書館員に必要なスキルセットは、学生・教員のニーズ・期待の変化に応じて進化し続ける。

3. 学生と教員の、各サービスへのアクセスをもっと早く、もっと広範にといった要求が増していく。

4. 知的財産に関する議論が、高等教育においてもっと一般的になる。

5. 新しい技術に関連したサービスへの要求が増加し、より多くの予算を必要とする。

6. 高等教育は次第に、組織を一種のビジネスとして見なすようになる。

7. 学生は次第に、自分たちを顧客・消費者として見なすようになり、高品質の施設・サービスを期待するようになる。

8. 遠隔学習が高等教育のもっと一般的な選択肢となり、伝統的な「レンガとモルタルの」モデルを脅かしはしないが共存はしていく。

9. 公的助成による研究から生じた情報への、無料のパブリックアクセスは増加し続ける。

10. プライバシーはライブラリアンシップにおける重要な問題であり続ける。

Feb 10, 2008

Microsoft Office2007 -1-

今学期履修している科目のひとつにMicrosoft Office2007を勉強するものがあります。その科目では、ほかに基本的なコンピュータの仕組みなどについても勉強します。Microsoft Officeでしょう?WordもExcelもAccessもPowerPointも使えるもん、楽勝!と思っていたのです。しかし、2003から2007にバージョンが変わり、さらに日本語表示から英語表示に変わり、結構楽しんで新しいことを吸収しています。(つまり、予想以上にこの科目で学ぶことが多かったということです。)

Wordを皮切りにExcel、PowerPoint、Accessの順で進んでいく予定で、5週目が終わった現在、Excelを終わったところです。Wordでは、まず2007になって大きく変わった表示の仕方に驚き、フォントや色の変更のしやすさに驚きました。下の画像で赤く囲んである部分がRibbonと呼ばれ、タブをクリックするとそれぞれのタブが展開されるようになってる。

たとえば、Insertタブを選択して表示された中から実行したいものを選ぶ。2003もそうだったって言ったらそうなんですが、挿入ボタンをクリックするとリスト(文字で)が出てきたのに対して、個人的に表示される図入りのリストたちに戸惑う。Insertタブを選択して、図を挿入させてからでないと、挿入した図の形式の変更をするためのタブ(format)が表示されない。2003を使っていたときは、何か動作したらタブが増えるとか、記憶になかったもんだから、「あれ?挿入した画像に枠をつけたいんだけど、どのボタンだ?」ってな具合で始終困惑してしまう。

フォントの変更は、フォントボックスの矢印をクリックして表示されたリストの中から選ぶわけだけれど、「どれにしよっかなー」とカーソルを当てただけで自動的に仮変更してくれるので、実際に選択した場合の判断がしやすい。色も、文字スタイルをあらかじめHeadingなどに指定しておくと、ページレイアウトタブからテーマを選択することで、これまた自動的に色が変わってくれる。この文字スタイルの変更とテーマ選択を何度かしていくとウホウホした気分になる。

Wordでこういった機能に少し慣れた後でExcelに移動。

ExcelもWordと同じようにリボンの形式だし、フォントやテーマの変更も同じ。で、こないだの授業で習って感動を覚えたのが「Absolute Cell Reference(絶対セル参照)」機能。これ、言葉で説明するの難しい。。。$マークを使うんだけど。たとえばね、(見にくいけど)こういう表があったとして、A、B、C列の1、2、3、4、5、6、7、8行の表。



Salesに対するRoyaltiesは17.75%っていう指定(セルB8)があるから、Title1(2行)のRoyalties(セルC2)は、=SUM(B2*B8)ってことになるでしょう?で、その式をTitle2と3にも当てはめようと思って式をコピーして張り付けると自動的にセルを移動させて式が更新されてしまうからC3=SUM(B3*B9)とC4=SUM(B4*B10)になる。でも、Royaltiesの%が示されているのはB8で、B9やB10は全然ちがう数字だったり空欄だったりしちゃうから、上の表にあるようにへんてこりんな結果になっちゃう。そこで、Royaltiesの17.75%(セルB8)を固定してTitle2、3に適用できたらいい!そのための式ってどうしたらいいのかっていうと、そこで出てくるのがAbsolute Cell Referenceというわけ。これは、固定したいセルを$と$ではさむことで式の中で固定したセルですよーっていうののサインになる。(ちなみにセルじゃなくて列や行を固定したい場合は$はひとつでいい)上の場合、($B$8)とする。C2=SUM(B2*$B$8)としておいて、式をコピーしてC3とC4に貼り付けると、これ不思議、C3=SUM(B3*$B$8)とC4=SUM(B4*$B$8)となるんですねぇ。お金関係での演習が多かったので今のところお金以外に自分ではこの機能の有効活用先は思いつかないのですが、なんでも、この機能を知っていると後でいろいろいいことがあるんだそうですよ。(うん。ありそうだ。)

PさんがAbsolute Cell Referenceの更なるコツを教えてくれました。($B$8)って$、B、$、8っていちいち手打ちするのは面倒だ(し、私の場合は特に$の位置を間違えて式がおかしくなったりする)からF4キーを使うといいらしいのです。=SUM(B2*B8)のB8にカーソルを持ってきたところで「とやーっ!」とF4キーを押すと、あれま不思議、B8が$B$8に早変わり。ちなみに、F4キーを1回叩くとB8が$B$8、2回叩くとB8がB$8、3回叩くとB8が$B8、4回に叩くとB8に戻る♪

Feb 4, 2008

Libs. & Research


遡ること3ヶ月近くblogを更新していませんでした。新年のご挨拶はもう季節はずれ。寒中お見舞い申し上げます。

2008年も2月に突入し、気づけば豆まきも終わっていた。。。毎年節分の時期には炒った大豆が店頭に出て、さらに安売りしてるからほくほく気分で大豆入りご飯を作っていたのに、今年は気づきもしなかった。。。無念

さて、図書館に関係する調査研究は、研究者も図書館本体も実施していますが、住民基本台帳法の改正に伴い、ここ数年でめきめき公共図書館のコミュニティ全体を対象にした質問紙調査が難しくなってきたと耳にします。質問紙を使った調査では、図書館の職員が対象ならば、図書館宛に送付すればいいし、来館者が対象ならば、入り口で陣取って5人ごととかに配れば、ひとまず質問紙は回答者の手に渡るわけ。回収できるかどうかは別として。公共図書館のサービス対象は、来館者(だけ)ではなく、コミュニティなわけで、来館者っていうことは、その時点ですでに図書館に足を運んでくれているわけ。

ん???「北の国から」の純くんみたいな口調だ。
ま、いっか。

サービス対象の意識を知りたいのに来館者(だけ)を対象にしてたら、もうすでにサンプルは偏ってる。だから、これまでは、「研究利用」ってことで住民基本台帳を利用してランダムにコミュニティから送付対象をサンプリングしてた(んだよね?)。図書館の利用者情報を利用したら、今現在アクティブな利用者だけじゃなくて、過去の利用者もわかるから、来館者を対象にした場合よりもより大きな母集団になるから、少しは良いかもだけどね。で、住民基本台帳法が改正して、今までよりもコミュニティの個人情報へのアクセスが難し(いだとか、できな)くなったらしいんです。私は自分で公共図書館のコミュニティへ質問紙を送付したことはないので実際のところは知らないんですが。

で、アメリカではどうしているのかっていうと、プライバシーの意識も日本よりも高いですから、以前の日本のように台帳を利用することはできないだろうって予想するのは容易いんですけどね。そしたら、電話帳をもってきて、5人ごととかに「電話をかけて、調査への協力を直接依頼する」んだそうですよ。かなりアナログ。調査研究を行う州立などの公的な機関が保持している個人情報を利用させてもらうという手もあるっちゃーあるらしいんですが、機関ごとに対象が微妙に異なるから、網羅的に対象をサンプリングできる割合は低い。さらに、その機関に調査の目的や内容をデモンストレーションした上で、情報使用の申請を受け入れてもらえるかreviewされるっていうんです。たしかに、受け入れ側の機関としては、持っている個人情報に責任があるし、その個人情報を提供してくれた人々の信頼を失うわけにはいかないから、そういった過程が必要なのはよく理解できるわけだけどね。それだけ苦労して、個人情報使用の許可が下りたとしても、送付した質問紙の回収率は別の話だしねぇ。回収したものの、使える回答かどうかもまた次の問題だし。いやいや、ほんと公共図書館って大変ですよ。文部科学省が毎年実施する「大学図書館実態調査」なんて回答率100%が当たり前だからね。